区長就任間もない頃、「楽熟会」という会で、区政の現状についてお話をしたことがありました。この会は高円寺保健センターを拠点とし、第二の人生を歩む男性を中心とした健康づくりの自主グループ。ひとしきり質問が終わると、代表の方が「要望がある。区の厳しい現状をよくするため、私たちも何か貢献したい。私たちは元気でいろいろな経験や知識がある。何ができるか教えてほしい」とのこと。
この予期せぬ「要望」はうれしかったのですが、私は当惑しました。なぜなら区長として、「ありがとう。それではこんなことで力を貸してほしい」と応える用意ができていなかったからです。きっと杉並区には、このように世のため人のために尽したいという方々が、たくさんおられると思います。そんな方々が、自らの発意で主体的に「地域をよくするための」多様な活動が行えるよう、バックアップする仕組みを本格的につくりたいと思い続けてきました。
そこで、地域をよくするために、誰かの力になるために、「こんなことをしてみたい」と考えたら、気軽に情報収集や相談のできる「(仮称)NPO・ボランティア活動推進センター」を、10月から阿佐谷地域区民センター内に開設します。また、特に公益性の高いとされた杉並のNPO法人(民間非営利法人)への寄付に対しては、「NPO支援基金」を通じて、個人や法人の寄附金控除を認めるなど、杉並独自のNPO支援策も創設しました。
今後は、地域貢献のための能力や技術を磨こうという人たちのための「杉並コミュニティ・カレッジ」や、それらを登録する「地域人材バンク」も必要になるでしょう。
「楽熟会」はその後、有志の方々が中心となって「生きがいの会」というNPOを結成し、現在「松蹊ふれあいの家」の介護サービス事業者として活躍されています。 |