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掲載日2002/11/1 区長の多選制限を


 今月5日から始まる区議会には、これからの杉並区の「自治のかたち」を定める大切な条例案を提出します。杉並区のいわば「憲法」ともいうべき「自治基本条例」、まちづくりのルールを定める「まちづくり条例」、そして区長の任期を三選までに自粛制限する全国初の「多選自粛条例」です。

 特に多選を制限する条例の制定は、私の選挙公約でもあり、区長に就任後も大統領のようなその責任の重さと権限の強さを実感しつつ、こういった条例の必要性を強く感じてきました。

 就任早々の中田横浜市長が、意味のない外郭団体の統合案に疑問を感じ質問すると、担当者が「とにかく外郭団体の数を減らすことが、前市長(三期目)の方針と考えたから」と小さな声で答えたそうです。

 このように多選は、どんな人であれ、首長のまわりにイエスマンをふやし、役所内部や、役所と議会の間の緊張感を失わせていきます。そうなると、本来住民の声に迅速適切に反応しつつ果断に経営を行うべき首長が、いつしか住民に最も遠い存在となり、真実の「声」が耳に届かず経営のマンネリ化をもたらし、また必要に応じた大胆な政策変更も行われにくくなり、ひいては将来の住民に大きな負の遺産をのこすことにつながります。そして時には、汚職事件に発展することにもなりかねません。

 多選首長でも、立派な業績を残される人もいるでしょう。しかし本格的な「自治の時代」を迎えつつある今日、多選のもたらす弊害にもっと目を向けるべきです。首長は自治体のいわば「大統領」として大きな権限をもっており、アメリカなど大統領制をとる多くの国では、このような弊害を防止するために任期制限を定めています。ニューヨークのテロ事件で見事な采配を振るったジュリアーニ前市長も、昨年市の「三選禁止」規定により惜しまれつつその職を去りました。また、杉並の友好都市であるソウルの瑞草区の区長も三期の任期制限を設けています。

 「多選制限」は、行政に公正さと活力をもたらす安全弁と言えます。