かつて「汚く危険」の代名詞だったニューヨークの地下鉄は、今は「きれいで安全」と変身しています。その変化をもたらしたのは、「落書きのある車両は、1両も走らせない」という地下鉄総裁の宣言でした。つまり、営業終了から始発までにすべての車両の落書きを消し、消しきれなければ新しい車両を走らせるなどして徹底したことだったのです。
当時の世論は「沈没しつつあるタイタニック号の船長が、モップで甲板掃除をしているようなもの」と、総裁を冷笑しましたが、方針は変わりませんでした。
しかし驚いたことに数カ月もすると、横行していたキセル乗車も犯罪も激減し、地下鉄を敬遠していたお客ももどってきたのです。たかが「落書き消し」、されど「落書き消し」。
この経験が教えてくれるのは、どんなに深刻な課題も、「小さなよき習慣」を何かひとつ、「倦まず・たゆまず・あきらめず」実行し続けることによってこそ、解決可能だということでしょう。悪循環から抜け出し、元気をとりもどすためには、何でもいい、忘れていた「小さなよき習慣」に気づき、今日からそれを愚直に続けていくことが大切だと思います。
歩きタバコにポイ捨て、放置自転車や無灯火、守られないゴミ出しルールなどが、最近区に寄せられる苦情の多いものです。
ルールとマナーに反する小さな行為の積み重ねが、まちを汚し、犯罪を増やし、その悪循環が地域を住みにくくし、町から元気も活力も奪っていきます。
現在、区では、路上喫煙の罰則適用を含めた安全なまちづくり条例制定を検討しています。この条例が、「小さなよき習慣」を復活させるきっかけにしていければと思います。愛煙家の皆さんのご理解もお願いします。
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