昨年の秋、Nさんという区民の方から1通のお手紙をいただきました。「区報はカタカナが多く、高齢者にはわかりにくい。数えたら8ページに300近くのカタカナが使われていた」との指摘。これまでも時々そのような苦情が寄せられていたので、改めて私の机にある区の書類を丹念に調べてみると、あるわ、あるわ。
スキーム、アクションプラン、セキュリティポリシー、アカウンタビリティ、プレゼンテーション・・・。
それぞれ日本語訳を考えてみると、枠組み、行動計画、安全対策指針、説明責任、提案説明・・・でいいわけです。特に福祉用語はカタカナだらけで、ケアマネジャー、デイサービス、グループホームなど、日本の福祉がいかに「輸入政策」かがわかります。でも、介護支援を受けるのはほとんどが高齢者ですから、意味がわかりにくく、とっつきにくい言葉は、本来使うべきではないでしょう。初めて介護を受けるときに、必ず頼りにしなくてはならない人が、「ケアマネ」ではどうしても構えてしまいます。「介護相談指導員」の方がいいかもしれません。
近年、本当に日本社会はカタカナ洪水になりました。考えた末、どうしてもカタカナしかなければしかたがないけれど、あまりにも安易に使いすぎているように思います。そして安易なカタカナ使用は、全ての人にとってわかりやすい社会づくりにつながらないばかりか、日本人の考える力そのものも弱めていくことになりかねない、由々しき事態だと思います。中国はカタカナがないので、外来語はその音や意味を考えて、例えば「コンピューター」は「電脳」というふうに漢字に変換していますが、日本でもそんな作業が必要かもしれません。
さて、今日のカタカナ洪水の責任の一端は、行政にあります。そこで杉並区では、庁内に「わかりやすい言葉検討組織」をつくり、国立国語研究所と提携して、今年は行政用語の見直しを始めます。私たちの夢は、「日本一わかりやすく美しい日本語」でつづられた杉並区報をつくることです。応援お願いします。 |