電力危機の今夏です。東京電力の不祥事が原因で、ほとんどの原子炉が停止を余儀なくされ、この原稿を書いている7月中旬時点で稼動している原子炉は、一七基のうち四基だけ。東電はこれで夏のピークをなんとかしのげると言っていますが、ギリギリの状態であることには変わりがなく、気温が33度を1度超えるごとに新たに170万kw、つまり原子炉約一・五基分の電力が必要になるので、夏の暑さ次第ではいつ電力不足に陥るとも限りません。
電力不足が生じると、突然広範囲に停電にみまわれる可能性が高まります。仮に停電すると、交通信号は消え、古いエレベーターは途中で止まり、病院の自家発電システムが故障していたりすれば手術中の酸素吸入器が停止し、水道は六時間後に給水ができなくなります。
そこで、こういった不測の事態を回避するために、区民の皆さまに節電をお願いするとともに、区内最大の電力需要者である区役所としても、7月から二カ月間庁内の温度管理を一層徹底し、エレベーターの一部の運行を停止するなどの節電策を実施し、職員も上着やネクタイをはずしての勤務とさせていただいております。
しかし私は、もし不幸にして今夏、ほとんどの原子炉が停止したままとなり、それをなんとか工夫して乗り越えることができれば、「ノー原発」社会への道筋を見出すことができるのではないかと考えています。むしろこの電力危機を、多量のエネルギーや資源の消費なしでは成り立たなくなっている、今の私たちの生活を見直す絶好の機会とすべきでしょう。「一夏」性のことに終わらせることなく、エアコンと扇風機の併用を、さらに扇子持参の生活習慣に変えてみる新しい夏にしたいものです。 |