前号の区報でお伝えしました通り、杉並区の住基ネットへの対応は、横浜方式、つまり「区民選択方式」で参加することを決定し、6月の区議会でも、そのための補正予算が可決・承認されています。 これは自治体の参加を強制している住基法の下で、いまだに住基ネットに対しての違和感や不安感をもつ区民の意思と、少数とは言え住基ネットを利用したいという区民の意思を両立させる、国が認めているギリギリの選択でもあります。
そこで区は、都や総務省に対して、6月以来再三再四、4月に国が横浜市に正式に認めた「当面不参加希望者の情報送信を行わない」とする参加方式と、全く同じ文面の合意文書を取り交わしたいと申し入れているにもかかわらず、今日になっても、認めようとしていません。
それはなぜなのか。国に対して明確な理由をお尋ねしたい。同じ住基法の下で、ある自治体には認められ、ある自治体には認められないような法運用の根拠は何か?横浜市と杉並区の違いは?まさか杉並区長が横浜市長より国に対して「うるさい人間」だからか?
しかし法の定めのない理由による法の差別的適用は、まさに行政の裁量権の濫用そのものであり、「法の下の平等」という法治国家の原理原則に反すると考えますがどうか。
この問題は、単に住基ネットへの考え方の違いというレベルを超えた、重大な問題です。同じ法の下にありながら、時の政治家や行政官の「さじ加減ひとつ」で対応が変えられるような裁量権の濫用が認められるなら、私たちは「法」に従う以上に「役人の顔色」をうかがわなければならなくなります。法は、私たちに一定の行動をとるよう強制もしますが、一方では私たちの自由を保障する大事な砦(とりで)でもあるのです。
私はこの観点から、総務省の良識ある速やかな対応を要請すると同時に、同じ住基法の下で当然杉並にも認められるべき「横浜方式」による参加準備を、区としては粛々と進めていくつもりです。 |