アメリカインディアンのある部族では、痴呆の老人を「神に近づいた人」として大切にしていたという話を聞いたことがあります。
痴呆は年を重ねるにつれて増える傾向であり、杉並でも要介護認定を受けられた六割の方に何らかの痴呆が見つかっています。つまり痴呆は、全くの特別のことではないのです。また、今日ではアルツハイマー型の痴呆は一種の病気であり、早期発見により治せるか進行を遅らせることができるとされています。
しかし現状は、発症から二,三年たって記憶の落ち方が急になるなど、症状が進み家族が困ってからの相談がほとんどで、早期発見・早期対応のためには、気やすく相談できる窓口の整備を急がねばなりません。現在でも保健センターやケア24などで相談を受けていますが、今年は「ものわすれ相談窓口」といった気やすく相談できる窓口とともに、専門家や医師と連携したより専門的な相談センターも開設していきたいと考えています。また併せて、自己診断用のチェックリストも作成していきます。
仮に痴呆が発見されたら、在宅でも介護や治療に当たれるように、「痴呆ケア応援隊」といった専門家チームをつくり、本人や家族を支える地域の体制作りに着手していきます。またグループホームや特養などの入所施設や、家族のためにショートステイの整備も進めます。
しかし、やはり痴呆にならないための予防が大事です。予防法としては、基本的に生活習慣病と同じで、定期的な運動、魚や野菜中心の食事、そして楽しい生活を心がけることです。また麻雀(マージャン)やコンピュータなど、指先を使う遊びの効果も認められていて、香港では痴呆治療に麻雀を取り入れたら、三分の二の患者に効果があったと発表しています。
今年は、日本で国際アルツハイマー協会の国際会議が開かれます。痴呆を特別視せず、高齢者の尊厳を守りつつ、住みなれた地域での暮らしを重視した施策を進める一年にしていきたいと思います。 |