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掲載日2007/8/1 稲むらの火


 「あの『稲むらの火』という話は本当ですか」。2005年1月にジャカルタで開かれたインド洋大津波についての首脳会議の際、シンガポールのリー首相からの質問に、小泉首相はその話自体を知らず返答できなかったそうです。
 
 『稲むらの火』とは、安政元年(1854年)に起きた大地震の際、和歌山の広川の庄屋、浜口梧陵は見る見るうちに潮が引き黒い砂浜が広がるのを見て、「これは大津波が来る」と直感し、自分の家にある刈り取ったばかりの稲に火をつけたので、「庄屋さんの家が火事だ」と思って高台の浜口の家に集まってきた村人たちを大津波から救ったという話。ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が明治時代に、『生き神様』という名で紹介している海外でも有名な日本の美談ですが、戦後の日本の教科書からはなぜか消えてしまっています。
 
 この話は、浜口という人の偉さだけでなく、地震や津波の知識をいつも生かせるようにしていることの大切さも教えています。もし地震や津波の知識を住民がしっかり持っていたならば、あのインド洋の大津波からきっと多くの人命を救うことができたでしょう。
 
 さて、一昨年の9月4日、区は河川や下水の能力を大幅に上回る集中豪雨で大きな被害をこうむり、区ではこの苦い水害の経験を生かして即応体制の整備を進めてきましたが、今年の雨の季節も皆さんと力を合わせた万全の備えで臨みます。また、「水」だけでなく、「火」への備えも大切です。
 
 22年度からは、都条例で、全ての住宅に火災警報器の設置が義務付けられます。火災警報器は、その設置により死者を3分の1に減少させる結果が出ており、区では7月から高齢者や障害者世帯を対象に設置助成も始めましたので、ぜひ早期に設置をお進めください。
 
 そして、今年の区の震災訓練は、9月2日(日)午後1時30分から各小・中学校で行われます。多くの区民の皆さんの参加で、地震の知識と震災時の対応を共有したいと思います。