樹木の名前のまち
東京特別区で唯一、樹木の名のついている杉並区は、武蔵野大地の上、23ある特別区の西端に位置し、23区中8番目の広さを持っています。人口52万人、今年で区政施行72年を迎え、比較的自然に恵まれた住宅都市としての性格を持ちながら成長してきました。
杉並区の地名のおこりは、江戸時代の初め、成宗・田端両村の領主であった岡部氏が、領地の境界のしるしとして、青梅街道に沿って植えたと言われる杉並木があったことに始まります。この杉並木は明治前になくなってしまいましたが、その後「杉並」の名は村名として採用され、町名、さらに区名となって現在に至っています。
杉並区は落ち着いた住宅地のイメージがありますが、区内を東西に横断している、JR中央線沿いに高円寺の阿波踊り、阿佐ヶ谷の七夕まつりとジャズフェスティバル、荻窪の音楽祭や西荻窪の朝市など、地域の区民が主体となって各種の催し物を行っている元気なまちでもあります。
「みどりの産業」で元気に
杉並区は、その名にふさわしく、区内全域がまさに植物園のような「みどりの都市」をめざすことが、新世紀の区の繁栄譜の一つと私は考えています。と同時に「みどりの都市」は、その良好な環境にあった「みどりの産業」をはぐくみ、地域に雇用やビジネスチャンスや税収、そしていきいきとした賑わいをもたらしていくものです。
区は、低迷する区内経済を活性化するため、昨年策定した杉並区産業振興計画を地域経済活性化緊急 プランを基に、既存産業や求職者への支援だけでなく、SOHOに代表される都市型ビジネスなど「環境と共生」できる「みどりの産業」の振興を図り、元気の出る都市杉並区の実現を図りたいと考えています。
アニメの杜
住宅都市杉並ですが、70社を越えるアニメーション制作会社が集積している、世界有数のアニメーション産業集積地でもあります。日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によると、アメリカにおける2002年の「日本製アニメーション(=アニメ)」市場規模が5200億円(推定)となり、これは、アメリカが同年に日本から輸入した鉄鋼製品額の3.2倍に相当する額で、日本を代表する産業のひとつに成長しています。
そもそもは昭和40年代、大手制作プロの東京ムービーが南阿佐ヶ谷に立地し、練馬の手塚治虫氏の事務所を結ぶ中杉通りに関連事務所が集まり、そして今や杉並はアニメの集積度日本一(ということは世界一)になったということです。ハイジ、ルパン3世、ナウシカ、ガンダムといった、よく知られた作品はみんな「杉並生まれ」。アニメ産業は、ITや環境、介護の分野とともに、杉並の「みどりの産業」のひとつとして大きく成長し、これからの杉並は世界中の子どもと大人の心に、夢と希望とファンタジーを届ける「アニメの杜」として、注目されていくことでしょう。
アニメ産業は地場産業
杉並区を含む東京西部地域のアニメ産業は、完全な民間企業によって発展し、高い国際競争力を有しているものですが、近年、海外ではアニメーション産業に戦略的に投資や人材育成を行っており、また、デジタル化対応などの環境の変化に対応が迫られている側面もあります。
区は、このアニメ産業を地場産業を位置付け、産業支援の検討をはじめ、平成14年6月に杉並産学連携会議による「アニメーションアーカイブに関する提言」を国に対して行うのに続いて、昨年2月に策定した産業振興計画では、アニメの杜すぎなみ構想の推進とアニメ産業の経営基盤の強化をまとめました。7月には、経済産業省文化情報関連産業課長も委員とする「杉並区アニメーション振興戦略会議」を開催し、アニメーションセンターの設置誘致、アニメをもとにした観光施策の充実の提言をいただきました。これらの提言と並行して、平成13年4月に「杉並区の世界一を楽しもう」をテーマにしたアニメーションフェスティバル実施を皮切りに、「杉並アニメ資料館」の開館、全国から募集人数の10倍近くの応募があった、現場アニメーターの実践養成事業「杉並アニメ匠塾」等、自治体としてできるアニメ産業支援を進めています。
各分野とも連携して産業の活性化へ
平成14年9月に区のアニメ産業振興の提唱に応じて、区内のアニメ制作会社23社で構成される、杉並アニメーション振興協議会が結成されました。協議会は自主制作アニメ作成に取り組み、昨年7月に第一作「サヨナラ、みどりが池」が完成し、区内各所で上映会を行いました。この取り組みのひとつ、公衆浴場組合との協力で、子どもを対象にした「銭湯でアニメ」は新聞紙面で取り上げられるなど好評を博しました。また、杉並区商店会連合会は、江戸開府400周年事業に「アニメと杉並」と題して、都庁前広場でブースを出店しました。年末の12月には、上戦井草商店街の空き店舗に地元のサンライズ社の協力で、区内にある女子美術大学の学生さんの筆による、「ガンダム」シャッターが完成するなど、区内各分野との連携も広がっています。
今後も、産業集積地としての杉並区のアニメ産業の発展を、観光や商店街活性化など区内各産業の発展にもつなげていきたいと考えています。
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