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NHK BS1「BSディベート」7月のテーマ/本格稼働から2年"住基ネット"はどうあるべきか(仮)
放送:7月31日(日)第1部 22:10〜23:00/第2部 23:10〜24:00


7月の出演者

山田 宏氏(杉並区長)
清水 勉氏(弁護士)
前川 徹氏( 早稲田大学客員教授)
中島 洋氏(MM総研所長)


(以下、番組ホームページより一部抜粋したものを掲載しています)

山田 宏(やまだ ひろし)杉並区長

「住基ネット」に対する賛否とその理由

大量の個人情報が一箇所に蓄積される情報システムのリスクは、昨今のクレジットカード情報漏えい・悪用事件を見ても明らかである。1億2千万の個人情報を管理する住基ネットも構造は同じであり、システムのセキュリティに「絶対安全」がない以上、その規模からして否定的にならざるを得ない。

 しかし、住基法にその運用が定められ、個人情報関連五法が成立している現在、一行政官として参加(接続)に踏み切らざるを得ない立場にあると考え、段階的全員参加方式(横浜方式)を前提とした参加を決定し、現在に至っている。

 「住基ネット」で、住民の生活は便利になるか。また行政の効率化は進むか

住基ネットは住民サービスの向上、行政事務の効率化を目的に、電子政府・電子自治体の基盤になるとしてスタートしたが、住基カードの交付枚数は、今年3月現在で約54万枚であり、総務省の予想(16年3月で300万枚)を大きく下回っている。

 区では、参加を見合わせて約3年になるが、この間、区民からの苦情はほとんどない。これは国民が便利さを実感していない証拠である。行政の効率化についても構築に400億円、運用に200億円を必要とするシステムが3年間でどれだけ寄与しているかを総務省は具体的数字をあげて示すべきである。このままでは、税金の無駄遣いの謗(そし)りをまぬがれない。

  「住基ネット」への参加の自由を認めるべきか

 IT社会は、進展すればそれだけ便利になる反面、大量に蓄積された個人情報の漏洩や悪用の危険性が増大してくるという面を併せ持っている。便利さを追求するか、それとも多少は不便でも危険を回避するか、個人の責任で選べる制度が重要になってくる。住基ネットもその延長線上にあり、国はIT社会への参加を一方的に国民に押し付けるべきではない。

 電子政府・電子自治体の推進は必要か

 電子政府・電子自治体の推進を否定しているわけではない。杉並区では、平成15年度情報セキュリティの国際規格に準じるISMSの認証を取得し、十分な個人情報保護のもと、電子区役所の構築に向けた取り組みを行っている。

 電子政府・電子自治体の構築には、利便性や効率化といった効果と導入に伴うリスクのバランスを常に考慮する必要がある。これが可能となってはじめて、電子政府・電子自治体は意味を持つのである。