ー区政運営の基本的な考え方は。
区政運営に当たっては、「独立自尊」「自立した地方政府」を基本とし、"杉並から日本再生を図っていく"との意気込みで臨んでいる。
1期目はその土台づくりとして、民間の経営感覚を取り入れて行財政改革を推進するとともに、福祉、環境、教育、地域経済、まちづくりなどの分野で新しい発展の基盤整備に取り組んできた。
また、区民、事業者の区政への参画と恊働の基本的な考え方や仕組みを規定した、区の憲法に相当する杉並区自治基本条例を制定し、住民自治の土台を築くことができた。
ー2期目を迎え、区政運営上の課題はなんですか。
1期目に築いた土台の上に、柱を立て屋根を葺き、家を建てていくことが目標となるが、自治基本条例をいかに施設や事業に生かしていくかがこれからの課題。
また、4年後の2007年は1947年生まれの人が定年を迎える年にあたる。つまり、戦後日本における起爆剤の役割を果たし続けてきた団塊世代の人たちが、続々と"地域デビュー"を果たすことになる。ものすごいエネルギーが津波のように地域にもたらされるに違いない。団塊世代によって本当の意味での地域の時代、自治の時代を迎えるわけで、そのエネルギーをいかに地域の発展に結びつけていくかが、基礎自治体の重要な課題になってこよう。
そこで、"シニア仕様"を意識した区政運営を進めていきたい。ソフト面ではシニアが参加、活躍できる場づくりやNPO、ボランティア活動の促進を図っていく。インターネットはそのための有効なツールとなるだろう。ハード面では、シニアが歩いていて楽しいまちづくり、そして、「みどりの都市」を目指していく。
ー環境面では、レジ袋税が大きな話題になりました。
21世紀は人間と環境の世紀であり、人間の尊厳と環境を意識しない発展はあり得ない。それらはライフスタイルに深くかかわってくる問題だが、レジ袋の削減はライフスタイルを見直すきっかけとなる。そのことを杉並から全国へ発信していこうとの意味合いも込めて、いわゆるレジ袋税の条例を制定した。
5年間で6割の区民がマイバッグを持参する全国の手本ともなる地域社会を確立しようという高い志を持って取り組みを進めている。
ー区の住基ネットへの対応が注目されていますが。
改正住民基本台帳法附則第1条第2項では「この法律の施行にあたっては、個人情報の保護に万全を期するため、速やかに、所要の措置を講ずるものとする」とし、個人情報保護の法整備を前提に施行されるはずであった。
その法整備が不備なまま、つまり、本人確認情報の提出先での情報漏洩や目的外利用などに対する規制が不備なまま住基ネットを開始すれば、住基法第36条の2の「個人情報の記録を適切に管理する義務」を負っている市区長村長の責務を果たすことができないとの判断から、昨年8月、確固とした個人情報保護の法整備がされるまで住基ネットへは参加しないこととした。
ー個人情報保護関連5法が成立しました。
形式的には一歩踏み出したといえるが、それで個人情報が万全になったとは考えていない。
国や杉並区で厳しい保護対策を講じたとしても、どこかの自治体で保護対策が抜け落ちてしまう可能性を否定できないからだ。住基ネットにおける個人情報の完璧な保護対策など不可能といえよう。
しかも一つの番号で個人を識別することは、プライバシーを守る上で絶対に避けるべきだと考えている。なぜなら、その番号の下に様々な情報が集まるようになり、その番号によって個人の過去情報が分かってしまう技術的危険性が高まるからだ。
私はプライバシーと私有財産の保護は、個人の自由と誇りを守る源泉であると考えている。そのプライバシーが脅かされることを看過することは断じてできない。
そもそも、強制参加はIT社会にふさわしくない。住基ネットは廃止してもらいたいと考えているが、それができないのであれば、住基ネットへの参加・不参加は区民一人ひとりが選択できる制度に改正してもらいたいと国に要望している。さらには、個人番号は目的別の複数制にすべきというのが、私の基本的な考えである。
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