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第十四話  「サンタクロース」



 今年もクリスマスが過ぎ、一気に新年ですね。ところで皆さんはサンタクロースの存在を何歳まで信じていましたか?「始めからサンタクロースなんていなかった」という人もいるでしょうね。僕は、お恥ずかしながら、小学校4年まで「サンタは本当にいる」と信じていました。いや、信じさせられていたと言った方が正確ですね。

 クリスマスの朝、寝ぼけながら頭の上を手探りすると、プレゼントの大きな包みの感触。ぱっと飛び起きて、ドキドキしながら妹と派手で美しい包み紙を開いていく時には、サンタさんへの感謝の気持ちで一杯でした。そして見事!自分の欲しかった物が届けられているのを確かめると、まだ寝ている両親の部屋に飛び込んで「来たよ!!」と大はしゃぎで報告。「ホント!?よかったね。また1年いい子でいないと来年は来てくれないかもよ」と母。「うん」と生返事をして、早速妹とプレゼントを見せあっていました。いい時期でした。夢がありました。

 小学校4年になると、僕も知恵がついてきて、24日だけでなく25日の晩も靴下を下げて寝たことがありました。「サンタはまた来てくれるかな」と欲を出したのです。翌日寝ぼけ眼で靴下の周りを探ると、リンゴが半切れ置いてありました。妹にも残りの半切れです。そして側に宣伝紙の裏に書かれた手紙がありました。

 「私は一年で12月24日しか来れません。また一年いい子でいれば、来年も来るよ。サンタクロースより」と書いてあるではありませんか。僕と妹はプレゼントはなかったけど、サンタクロースから手紙をもらったことで「みんなに自慢できる」とウキウキでした。しかし、しばらくすると妹が「でもお兄ちゃん、サンタさんって日本人じゃないのに、なんで日本語が書けるんだろ?」とポツリと言ったのです。僕もそう言われてじっとその手紙をにらんでいました。「う〜ん。なんかこの字、お母さんの字に似てる!」僕らが留守番のときの母の置き手紙の字は、僕と妹にはなじみなのです。

 その出来事が夢の終わりのきっかけになりました。まさかサンタさんは、心を込めて書いた手紙が足になって、その正体を明かしてしまうことになろうとは夢にも思ってなかったでしょう。しかし子供の探究心は残酷です。翌年のイブが近づく頃、僕と妹は留守番のときに家中の押し入れの一斉捜査をしたのです。そして「証拠物件」はすぐ見つかってしまいました。

 母が帰ると、僕たちは「サンタさんて、パパとママなんでしょ?」と問いただしてしまったのです。この年以降、毎年のドキドキした楽しみが消えてしまいました。もっとこの夢は見ていたかったけど、きっと大人になるというのは、こうやって夢が消えていくことでもあるんだなって思います。でも、こうやって夢を見続けさせてくれた両親には、今とても感謝しています。