平成5年(1993)から約2年半の衆議院議員時代、国会議員として毎年元日に皇居で、天皇陛下をはじめ皇族方からの新年のご挨拶をいただく機会がありました。皇居の宮殿の正殿に国会議員(自由参加ですが)や司法や行政の幹部が並び、そこに天皇陛下をはじめ皇族の方々がおいでになり、まず参列者を代表して衆議院議長(当時は社会党の土井さんだった!)が新年のご挨拶を申し上げ、そして陛下から「お言葉」があり、それで終わり。簡素です!
その後、隣の大きな豊明殿という部屋でお正月の料理をいただくのですが、これも参議院議長の乾杯が終って間もないうちに、参列者は出されている料理を折り詰めにいれて、そそくさと失礼するといった慌ただしい感じでした。今はどうなんだろう?でも、お料理の特に日の出かまぼこが分厚くて美味しいこと!!かまぼこ大好きなんです。僕はその後そのまま新幹線で京都にいる両親や祖母に「天皇陛下からいただいた」折り詰めを届けたのですが、やはり昔の人は「もったいない」と喜んでくれるので嬉しかったです。
さて、家から皇居までの交通手段なのですが、モーニングを着ていることもあり、ほとんど全員が黒塗りの車かハイヤー。つまり運転手さんがいるのです。しかし10万もするハイヤーを頼むわけもいかず、またお正月なので秘書もおらず、僕は自分の車を運転して皇居に行ったのです。許可証があるので二重橋を渡るところまではスムーズだったのですが、駐車場の場所を聞こうと思い長和殿の玄関に車をつけたら、仰々しい正装の係の方が僕の車の後部座席のドアを開けて、
「あれ,先生はどちらですか?」と聞かれたのです。
「あ、私が本人です」と、運転席から私。
「えっ!? 失礼いたしました。ご本人が運転ですか?」と係りの人がびっくり。
「はい。で、駐車場はどこでしょうか?」
「駐車場ですか?駐車場はあの先に見える入り口から入って地下です。でも大丈夫ですか」
「ええ、たぶん」と答えて、私は指示された入り口に向かって車を走らせました。
駐車場は長和殿の前の大きな広場の地下で、だだっ広くて簡素。車から降りて「急がないと」と思って出口を探したのですが、出口が見つからないのです。表示がないのです。また駐車場の係の人も見当たりません。広くてがらんとした皇居の駐車場の中を、私はモーニング姿でうろうろするはめに。やっと避難口のサインを見つけて階段を駆け上がると、
なんとそこは・・・長和殿(皇居中の最も大きな宮殿の一つ)の庭園のど真ん中だったのでした。