
競馬の勝者たち
一昨年に災害時相互援助協定を結んだ友好都市である福島県南相馬市(旧原町市)からご招待を受けて、7月23日と24日に「相馬野馬追(そうま のまおい)」というお祭りを見る機会がありました。人づてで聞いたことはありましたが、本当に感銘を受けました。
このお祭りは、平将門の軍事訓練を起源に一千年以上も続いている行事で、500騎の甲冑騎馬武者が町を行進し、ひばりが丘という広場で、甲冑をまとい旗指物もつけた武者による競馬や、空に高く打ち上げられた布の神旗を全員で奪い合う騎馬戦のようなものも開かれるのですが、そのホンモノぶりは迫力満点。
なんせ参加者はすべて地元の人たちで、身につけている甲冑はすべて本物。乗馬技術も本物。総大将はこの地域のかつての相馬中村藩の殿様の末裔。それだけでなく参加者は心の底からもののふ(武士)に成りきっているのです。

武者行列
たとえば騎馬行進を見ている最中に、観客が道を横切った場面がありました。するとそれを見つけた騎馬武者がパカパカと飛んできて、
「無礼者!」と一喝。
さらに
「お行列の前を横切ることは相成らん。戻れ。戻れ。」
と、こんな具合でしゃべり口調も武士なのです。まさに私たちが戦国時代にタイムスリップでもしたような感覚でした。
お祭りが見世物化している現代にあって、この「相馬野馬追」は「常在戦場」という武士の精神を真剣に受け継いでいる神事で、だからこそ見る者も感動させてしまうのだと思いました。
ひばりが丘での神旗争奪戦
江戸時代の野馬追図
