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当記事は、2014年2月28日の衆議院予算委員会の議事録を転載しております。掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載はご遠慮下さい。

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■山田宏 質疑応答 全文

2014年2月28日の衆議院予算委員会の集中審議より

○二階委員長

 次に、山田宏君。

○山田(宏)委員

 いよいよ締めくくり総括となりました。
 期間は短うございましたけれども、総理初め皆さんにおかれましては、熱心に審議に応じていただいてまいりました。そのことについては一定の評価をさせていただきたいと考えております。
 そしてまた、委員長を初め与党、野党の皆さん方のお力もあって、今回、我が党が求めてまいりました河野談話にかかわる参考人の招致ということも実現ができ、そこで一定の真相解明に向けて前進がありました。
 きょうは、締めくくりということでもございますので、河野談話について、また我が国の情報発信、広報戦略等について、そして集団的自衛権について、私の方から幾つか御質問をさせていただきたいと思っております。
 まず、河野談話についてお聞きをしていきたいと思いますが、二十日の集中審議において、石原信雄元官房副長官の証言によって幾つか確認ができました。日本の官憲が直接関与を示す資料は見つからなかった、韓国政府が用意した元慰安婦十六人の証言に基づいて談話は作成した、しかし、その証言の裏づけ調査は行わなかった、談話の文言は韓国政府と意見のすり合わせを行ったと推定される、こういった重要な証言がありました。
 このことを通じて、私のところにもたくさんの手紙、ファクス、メールが寄せられました。本当に膨大なものです。それぞれ意見は、解明が一歩進んでよかった、一層の政府の努力を求めたい、国会の努力を求めたいというものがほとんどでございました。
 何よりも、この問題は、特に海外にいる日本人の子供たちが非常に肩身の狭い思いをしている、そして、これから育ってくる日本国内の子供たちが肩身の狭い思い、卑屈な思いで、ずっと子々孫々過ごさなければいけない、それが事実であればしようがないけれども、事実でないことでずっとこうべを垂れ続けなきゃいけないということについて、我々の世代できちっと事実解明をしていくべきではないか、こういうふうに主張いたしました。
 その中で、FNNや産経新聞の調査においても、この質疑について世論調査が行われておりまして、慰安婦募集の強制性を認めた河野談話を見直すべきかという問いに対して、思う五八・六%、思わない二三・八%、また、政府や国会が元慰安婦に対する調査のあり方などを検証すべきかという問いに対しては、思う六六・三%、思わない二〇・八%。
 国民の声、国民の正気ということがここによくあらわれていると思うんです。政府は、また国会は、この国民の声に応えていく義務があると私は考えております。
 そこで、こういった国民の声が政府に寄せられていると思うんですけれども、この証言を通じて、いろいろな意味で国民の声が寄せられていることについて、まず総理の御所見を伺います。

○安倍内閣総理大臣

 前回の山田委員の質問、そして質疑の後、さまざまな世論の反応があったというふうに承知をしております。
 だからこそ、政治家は歴史に対して謙虚でなければならない、このように思うわけでありまして、そして同時にまた、政治家の仕事の評価は歴史家や専門家に任せるべきであるという思いを新たにしているところでございます。

○山田(宏)委員

 私が求めているのは、河野談話を発する原点となった証言、元慰安婦の方々の証言の事実の裏づけがないまま政治的に取り決められた文書、まあ、そういう文書は世の中にはいっぱいあると思いますけれども、この文書がひとり歩きをして、今や、日本人が過去、日本軍が二十万人の人々、女性たちを強制連行して性の奴隷にしたんだ、こういうことが流布されているということを問題にしているんです。ですから、事実の解明は絶対に必要だ、こう思っております。
 このことについて、韓国政府の反応もありました。いわば、官房長官がこれから検証できるか検討するということについて、河野談話を否定して、歴史の時計を逆に戻そうとする試みであると見るほかなく、これまでの両国関係の基礎となってきた正しい歴史認識の根幹を破壊するものにほかならない。また、こういったものを検証するということはということで、韓国の中央日報は、証言聴取は非公開を前提に行われたものだ、こういうことを挙げながら、こういう検証を進めることは、日韓両国の友好に、これまで築いた歴史に反するものだということで、要は、検証するなと言ってきているわけですね。
 本当に事実だったら、検証してくださいというのが普通じゃないですか。何で検証するなと言うんですか。事実だということで胸が張れるならば、どうぞ検証してください、我々も資料を出しますよというのが普通の反応だと私は思うんですよ。検証するなと言われれば、なおさら検証しなきゃいけませんね、これは。
 さらに、困ったことに、村山元首相、私が初めて国会に当選した後は村山さんの内閣になりました。お人柄は愛すべきお人柄だと思いますよ。だから困るんですよ、こういうことをおっしゃられると。まず、河野談話については、事実があったかなかったかをあげつらったって何の意味があるのか。冗談じゃないですよ、ここが問題で我々の子孫たちがひどい目に遭っているんじゃないですか。
 それから、特に尖閣諸島についても、ちょっと今の質問に関係ないんですけれども、どちらに占有権があるか解明のしようがない、日本に言わせれば日本の領土だし、中国が言えば中国の領土だと言うし、切りがない、そんなことを突っ張り合ったってしようがない、台湾も含めて、近辺の国がお互い共有して、幸せのために生かしていくことができれば一番よい。もう宗教家になってほしいと思うんですよね。
 こういうことを日本の枢要な立場にある人がおっしゃっておられるから、なおさら事実の究明、事実の検証というものが必要なんですよ。
 官房長官は、このことについて、政府の中で、いろいろな制約はあるけれども、検証することを検討していくというお話がありましたけれども、今後どのようにこの検証、検討を進めていこうとされるのか、お考えをお聞きしておきたいと思います。

○菅国務大臣

 まず、先般、石原元副長官が参考人として出席をしていただいて明らかになったこともたくさんありました。
 まず、四つのポイントだったですね、山田委員が今言われましたけれども。強制的な官憲による直接の関与を示す資料はなかった。このことについては、第一次安倍内閣の閣議決定の中で、強制的な連行はなかったということはもう決めております。そして二番目は、韓国政府が用意をした元慰安婦十六人の証言に基づいて行われた、そしてその証言の裏づけはとっていない、こういうことでした。さらに、また明らかになった点は、談話の文言は韓国政府とすり合わせている可能性があるというふうなことも、その証言の中で言われました。まさに韓国の主張に配慮してこうなったんだろうということですよね。
 当時は、そのことでこの問題は決着がついて、冷静に日韓が戻ったわけですけれども、しかし、またこうも言っていましたね。現在、日韓関係が厳しい状況になっている中で、当時の日本政府の善意が生かされていない、このことは非常に残念に思う、そういう証言もされました。まさに、私は、官房副長官の偽らざる思いだったというふうに思っています。
 そういう中で、前回、山田委員から私に対して、調査という話がありました。私はこう申し上げました。慰安婦の証言については非公開というのが原則でありましたので、日本政府としては、やはり約束したことはしっかり守る政府でなければならないと思っていますから、そこは十分配慮をすべきだということも私は申し上げました。
 そういう中で、この機密の扱いの中でどうできるかということを検討したいということを私はそこで申し上げました。そうしたら、委員から、提出よりも、とにかく政府の中でチームをつくって、検証するものを含めてやってほしいという私に対しての質問でありました。
 現在、安倍政権の基本は、歴史学者や有識者の人たちが研究を重ねている中で、そこでこれからも検討を重ねることが望ましいというのが今までの安倍政権の基本的な考え方です。ただ、今の石原副長官の発言の中で、その意見のすり合わせの実態、こうしたこともやはり解明する必要が私どもはあるというふうに思っています。
 ですから、そういう考え方の中で、まず政府の中で、全く秘密の中でその検討のチームをつくらせていただいて、そこについて私ども、もう一度掌握をさせていただいて、それからこの問題についてどうするかということはまたしっかりと検討していきたいというふうに思います。

○山田(宏)委員

 もうちょっと、最後の締めくくり質疑なので確認しておきたいんですけれども、要は、政府の中に、この十六人の証言の裏づけ調査も含めた事実関係の検証、また、石原証言に基づいて、河野談話が韓国とのどういうすり合わせによって行われてきたのかという事実関係の検証というものを、秘密を保持する検証チーム、専門家チームによって行うということですね。

○菅国務大臣

 十六人の証言に基づいて談話作成をした、それと同時に、そこの証言の裏づけの調査は行っていなかったということでありますから、そこは極めて難しいと思いますね、裏づけがないわけですから。ただ、そこについても、そんな状況であったということは、全く極秘の中で、秘密が保持される中で、そこはやはり政府としてもう一度確認をすることが必要だろうというふうに思います。
 そして、すり合わせの部分についてはそうした前提条件がありませんので、そこについてはどのような形で行われてきたのか、そこもしっかりと検証させていただいて、今後については、どういう扱いをするかということは検討させていただきたい、こういうことであります。

○山田(宏)委員

 ありがとうございます。
 そうしたら、その検証、ここで、予算委員会で議論されたことなので、政府による検証が終われば、国会に御報告をお願いできますよね。

○菅国務大臣

 政府としては、その用意はあります。ただ、そこは、委員会でどうされるかということは委員会でお決めいただきたいと思います。

○山田(宏)委員

 政府はその用意があるということですので、立法府においても、私は、我が党も議運等で要請をいたしておりますけれども、この問題についての検討機関というものを設置するという必要があると思うんです。
 政府の立場はなかなか難しいと私は見ています。特に日米関係、いろいろ考えれば、なかなかこの談話について踏み出すタイミングというのは厳しいものがあると私も認識をしております。また、日米同盟をきちっとさせておかないと歴史問題の解決もままならないということも、残念ながら、我が国の置かれた現状であります。
 ですから、そういった意味では、政府が一歩も二歩も踏み出していくことは、結果としてはいい結果に終わらない、こう思っておりまして、その部分はやはり、立法府の役割、国会の役割というものは極めて重かつ大ではなかろうか、こう思っておりまして、ぜひ国会の中で、こういった、河野談話、または聞き取り調査等の、政府がそういう調査を行った後、我が国会でもそれをきちっと検討できるような機関をつくっていくという必要があるというふうに考えております。
 なお、さらに、我が党としては、石原発言を踏まえて、石原さんの方からは、どのような韓国とのやりとりがあったかは知らないということでありました。また、やはり、どういう政治判断で最後はこれがつくられたのかということもわからなかったわけであります。そういった意味では、そのことに携わってこられた、当時の外政審議室長でございました谷野作太郎氏、そして河野洋平元官房長官につきましては、引き続き、国会での御証言をお願いするということで、参考人招致を求めていきたいと考えております。
 さて、それで、先日の質疑の中で、私は、慰安婦の碑が建てられたり、また、各国で日本の慰安婦に対しての決議が行われたり、アメリカの各州で行われているこういう動きに対して、外務省が一体どういう説明をしてきたのかという内容を聞いたのに、時間だけ五分も過ぎて、同じ答弁ばかりで、周辺の、どういうことを行ったかということはおっしゃいましたけれども、その中でどういう説明をされたのかということを具体的に聞いたにもかかわらず、お答えになりませんでした。大変問題だ、こう思っておりまして、あのときはテレビの中継でございましたから、不満でありましたけれども、そのまま過ぎました。
 しかし、ここは締めくくりでございますので、もう一度お尋ねしますけれども、こういった動きに対して、これまで外務省はどういう説明をそのたびごとにされてこられたんでしょうか。

○岸田国務大臣

 御指摘の碑文ですとか決議の動きに対しましては、我が国としてはこうした動きを容認することはできないということで、我が国の立場や今日までの取り組みを説明してきたわけですが、内容としまして、論点を申し上げるならば、まず、米国の地方自治体の動きに対しましては、基本的に、地方自治体においては、民族的少数派が平和と調和の中で共生することを希望しており、出身国間の意見の違いが米国の地方自治体に持ち込まれるべきではない、こういった点をまず一つ申し上げ、そして、以下、論点を申し上げるならば、日本と韓国は、一九六五年に日韓請求権協定を締結し、両国民の請求権については法的には完全かつ最終的に解決されたことを確認しているという点。
 そして、しかしながら、こうした解決が確認されているわけですが、日本政府は、道義的な見地から、元慰安婦の方々への現実的な救済のため、日本国民との協力により、一九九五年に設立したアジア女性基金を通じて最大限努力を行ってきたということ。
 そして、さらには、政府としまして、平成三年以降、慰安婦に関する関係資料の調査等を進めてきました。そして、その報告書を発表しているわけですが、こうした報告書の調査分析の結果は、こうした米国等における慰安婦像、碑文、あるいは各国の決議の中には、こうした分析の結果と相入れないものが多数含まれている、こういった点についても指摘をしてきました。
 実際にはさまざまな資料を使い、丁寧に説明をしてきましたが、大きな論点としては、今挙げさせていただいた点を挙げております。こうした論点を掲げながら、現地の大使、大使館、総領事館、あるいはロビイスト、こうした関係者が協力をしながら働きかけを行ってきたわけです。
 それぞれの状況は、具体的なケース、さまざまであります。より効果的な説明をするためにはどうしたらいいかという見地から、マスコミですとか、あるいは議会関係者、さらには有識者、そして地方自治体、政府、あるいは首長、こういった関係者にさまざまな形で働きかけを行ってきたということであります。
 実際のところ、米国の地方自治体の中には、韓国系住民が多い地域であったり、あるいは選挙事情もあり、難しい状況も存在いたしますが、こういった働きかけを行うことによって、実際、関係者の理解を得てこうした動きがおさまる、こういった例も複数存在いたします。
 引き続きこういった努力は続けていきたいと考えております。

○山田(宏)委員

 どういう説明かというときに、一九六五年の請求権を放棄した条約があるじゃないか、だから今さら請求されるのはおかしいじゃないかとか、アジア平和女性基金をつくって見舞金を出したんだ、だからもうこれは、こういう形で日本も対応、道義的な責任を負ったんだということとか、そんなことを幾らあげつらったって、向こうは、二十万人を日本軍が強制連行して性奴隷にした、こう言っているわけです。見舞金を出したとか、請求権があるとかないとか、そんなことを言っていたって、それは、そういうような強力な発言の前では、あんた、実際はそれを認めたんだろうということになっちゃうんだから、それは、そんなことは事実じゃありません、何が事実ではありませんかというと、官憲が、日本軍が強制的に女性を連行した、そんなことはありませんよということを、はっきり、なぜ言えないんですか。

○岸田国務大臣

 我が国としましても、平成三年以降、この慰安婦問題等につきましては、資料等を分析し、調査をし、そして報告書をまとめています。そして、この報告書との比較において、明らかにこれは一致しない、これは事実ではない、こういったことにつきましては、累次説明はさせていただいています。

○山田(宏)委員

 それではお聞きしますけれども、強制連行とそこらじゅうの決議や碑文に書かれているけれども、この強制連行にはどういうふうに反論したんでしょう。

○岸田国務大臣

 こうした強制連行を初め、この慰安婦問題につきまして、我が国の今日までの調査の結果、そして我が国の政府としての見解、立場、こういったものをしっかり示して説明をしてきたというのが今日までのありようです。

○山田(宏)委員

 だから、その調査の結果を、強制連行について、あったと相手は言っているんだけれども、そのことについて調査の結果を示したと言われたって、どんな結果をどう示して反論したのかわからないんですよ。それをお答えいただけますか。
 お答えいただけなければ、お答えが出るまで待ちます、時計をとめてもらいますから。

○岸田国務大臣

 御指摘のこの案件については、さまざまなケースがあります。さまざまな案件が存在いたします。
 ですから、具体的には、現地におきましてさまざまな説明を行っております。強制連行の部分も含めて、先ほど申し上げました論点に従って、丁寧に説明をさせていただいております。

○山田(宏)委員

 それでは、強制連行はあったのか、なかったのかといった場合、なかったと説明しているんですね。一言で答えてください。

○岸田国務大臣

 その御指摘の点につきましては、第一次安倍内閣の際に政府の答弁書として公表させていただいている内容に従って説明をしております。

○山田(宏)委員

 つまり、強制連行を示す証拠というか、そういうものは見つからなかったということを説明しているということで。確認です。

○岸田国務大臣

 第一次安倍内閣における政府答弁書の内容は、御指摘のとおりだと思います。

○山田(宏)委員

 相手は、日本軍によって強制連行されたというふうな主張に対して、強制連行を示す証拠はなかったということだけでは弱いんですよ。やはり、強制連行はなかったと日本が判断しておかないと、証拠はなかった、いや、証拠はほかにあるはずだ、見つければあるだろう、隠しているだろう、こういうふうになっちゃうんですね。
 私は、今回の、外務省の苦衷はよくわかります、大体、河野談話そのものが曖昧な内容ですから、それを表に出しちゃったんですから、外務省としてはそれに基づいてやるしかないわけです。ですから、この曖昧性が、外務省の担当者、在外公館の担当者の苦衷になってあらわれてくるわけです。ぴしっとした姿勢、背骨が入っていないんですよ。だから、背骨を入れるのが今回の検証なんです。もし、それで、事実ということであれば、これはもうしようがない、もうそれは認めるしかない。だけれども、事実でなければ、今回の検証を踏まえて、外務省の対応はきちっと変えるべきだ、こういうふうに考えております。
 そこで、全体的には、これを外交問題化しないというのが今の政府の対応ですけれども、これだけ国際的にむちゃくちゃに日本の名誉が傷つけられて、子供たちが非常に悲しい思いをしているのに外交問題化させないなんて、させているのは相手じゃないですか。させないということは、日本にも何か弱みがあるんじゃないかと相手は思うんですよ。今までそういうような歴史を我々は繰り返してきたんです。言うべきことはきちっと言っていく。外交問題化しないと言ったって、相手がしてくれば、こちらはやはり堂々と渡り合っていく。こちらが逃げて、外交問題化しないなんて言うから、次から次へと主張を広げていくわけです。私は、この検証を機会に、そろそろ日本の対応を変えていくべきだと考えております。
 何せ日本は、正しい国際世論をつくるということについて、やはり甚だ弱い。または、島国の傾向なんでしょうか、この部分については関心が低いと私は思うんです。相手から何とか言われても、その場しのぎ、事なかれ、先送りをしていけば、何とかその台風は過ぎていくんじゃないか、台風のように消えていくんじゃないか、こういうふうに思いがちなんです、日本人は。そうじゃないということを今回のこの問題は示しています。
 国内社会では、我々も、なあなあ、まあまあ水に流そう、これはもう日本の国内の美風です。だけれども、国際社会は逆です。そういうことをやれば、おまえが弱い、おまえが罪悪感を持っている、こうなって居丈高になっていくのが国際社会です。
 そういった中で、来年、第二次世界大戦が終わって、大東亜戦争が終わって七十年になります。今、隣の国は、反ファシズム、戦勝記念ということで、全世界に働きかけて、いわば反日包囲網を広げようというキャンペーンを行おうとしています。また、行ってきています。
 我々日本も、日本はずっと女性も含めた人権をアジアで最も大事にしてきた国なんだということをきちっと国際広報戦略の中心に据えて、この慰安婦問題も、それから東海の問題も、出てきたら何かモグラたたきのように扱うんじゃなくて、戦略を定めて、相手のいろいろな国、韓国や米国だけじゃない、欧州、そして、アジアのほかの国、第三者の国が大事ですから、そこへ行って、そこのオピニオンリーダーの人たちの話を聴取して、いろいろな意見を言われる、いろいろな考えもある、それを全部在外公館が手分けをして集めてきて、中央に集めて、それに対してどう対応するかを決めて、どう働きかけるかを決めて、お金もかけて、十六億円なんかでは丸が二つ足らないんです。戦争になったら終わりなんだから、やはり宣伝戦で勝たなきゃいけないんですよ。そういう情報戦にもっとお金をかけて、そして、日本の主張と正しい国際世論をつくるための努力というものを今までやってこなかったんだから、これを安倍政権のときにきちっとやってください。
 戦争なんて、我々は平和を求めているわけです。ただ、こういう形で包囲網をつくられてしまうと、どんなに自衛隊を強化したって、戦争は負けです。戦前はそうだったんです。そういうことになったら終わりです。
 そういったことを今までやってこなかったということを認識した上で、ぜひ総理のもとに、そういった日本の情報発信、広報戦略を立てていく本当に強力な部門をつくっていくための研究会等をつくって、来年、戦後七十周年になります。他国は、反ファシズム闘争、こういうことをやっているわけです。ですから、そういう研究機関をつくって、なるべく早くそういう体制を整えてもらいたいと思うんですけれども、総理の御答弁を求めます。
〔委員長退席、萩生田委員長代理着席〕

○安倍内閣総理大臣

 安倍政権が発足した際、まさに海外での日本のイメージ、これはソフトパワーでありまして、日本は戦後、今、山田委員が指摘をされたように、自由で民主的な国をつくってきた、基本的人権を守り、法の支配をとうとんできた国でありまして、この日本の戦後の歩みを、我々はまさに胸を張ってもっと世界に発信をしていくべきなんだろうと思いますし、この歩みが今後も変わることはないわけであります。
 そして、その中におきまして、残念ながら、日本をおとしめようとしているキャンペーンが海外で展開されているのは事実であります。現実の日本とは全く違う姿を、まるでそのような姿が現実にあるんだ、そういうプロパガンダがなされているわけでございまして、そうしたプロパガンダはまさに私たちの子供たちの世代に大きな影響を与える危険性が出てきているわけでございまして、しっかりとした広報戦略を戦略的に考えていきたい、このように思っております。

○山田(宏)委員

 きのうもニュースになっていましたけれども、「アンネの日記」を、公立の図書館、今被害がどれぐらいかと聞いたら、都内で八自治体、三十八の図書館で、三百八冊ものアンネ・フランクにかかわる著作、またはホロコースト、ユダヤ人虐殺、アウシュビッツ、こういったものにかかわる図書が破られる、また大手の書籍店でも破られる、こういったことが起きています。
 我々日本人の感覚からいうと、「アンネの日記」というのは、我々日本人の好きな書籍ですよ、愛する書籍ですよ。我々は戦前もナチス・ドイツと同盟を結んでいましたけれども、ユダヤ人の迫害については、日本政府は表とは裏腹に、陰では、杉原千畝さんだけではなくて、陸軍も海軍も、それはシベリア鉄道で逃れてきたユダヤ人の数万人もの人々を出国させているんですね。そういったことをやってきているんです、日本は。ですから、そういったことをやる風土にないんです。
 それで、私が気になるのは、中国、韓国が、この日本の事件について、日本の右傾化のあらわれだとか、ファシズム勢力のしわざだとか、日本をそういうレッテル張りに使おうとしているわけです。
 私は、この事件というのは、単に個人的なそういう思いでやられているのか、それとも一定の何か政治的背景があるのか、これは相当注意して考えなきゃいけないと思うんですけれども、ちょっと質問通告していないんですけれども、古屋国家公安委員長、この問題は背景も含めてしっかりやるべき必要があると思うんですけれども、いかがでしょう。

○古屋国務大臣

 昨日、イスラエルの公安大臣もお見えになりまして、私の方から、冒頭、このことについて、警察としては徹底的な捜査をお約束申し上げました。
 やはり許しがたい事件ですよ。そういう意味で、私も国家公安委員長として、警察に徹底的な調査、その背景の調査も含めて指示をさせていただきました。できるだけ早い時期に解決をさせるように全力を挙げます。

○山田(宏)委員

 国外に犯人が逃げるかもしれないので、ぜひ早期に解決を図って、日本の名誉が守られるように努力をしていただきたい、こう考えております。
 そこで、次に、ちょっと時間がなくなりましたので、集団的自衛権についてお尋ねします。先ほども議論がありましたので、余り意地悪なつもりで申し上げるわけじゃなくて、心配して申し上げるので、ちょっと太田大臣にお聞きをしておきたいな、こう思っております。
 昨今ニュースになりましたので、公明党の山口代表、井上幹事長、また漆原国対委員長等が、政府の集団的自衛権の解釈を変えるに当たっては、国民的議論が必要だ、閣議決定の前に国民的議論が必要だ、そしてまたさらに、井上幹事長は、近隣諸国の理解も必要だ、こういったお考えを述べられております。先ほど民主党の御質問でもそういった議論がありました。
 しかし、私が心配しておりますのは、やはり与党が態度を決める前にここに持ち出されても、議論のしようがないんですよ。与党がきちっと立場を明確にしてもらうということを通じて、野党が質問できるんですね。ですから、そういった意味では、総理が先ほどお答えになったことも私はうなずけるものがあると思っているんですね。そういった意味で、与党の立場として、国民的議論、与党が立場を決める前にまず国民的議論だというのは、ちょっと違和感があるんですよ。与党が決めてから国民的議論じゃないか、こういうふうに思うんですね。そうでないと、責任ある答弁はできないと思うんですね。
 そこで、太田大臣にお聞きしますけれども、太田大臣も、先ほどの岡田さんの質問のように、閣議決定の前に国民的議論が必要だ、こうお考えなんでしょうか。

○太田国務大臣

 私は再三ここでも述べておりますが、集団的自衛権あるいは安全保障、これらの問題については、今、安保法制懇で論議をしているという状況にありますから、その論議を見守るというのが、まず現段階で私がとっている姿勢であり、また、総理の御答弁も常に、安保法制懇の議論が深まることを期待するという趣旨の答弁だったというふうに思います。
 まずは、そこを見守っていくというのが全てだろうと思います。

○山田(宏)委員

 まずはそうなんですけれども、やはり国民が関心があるのは、公明党さんの幹部の方々がそういう御議論をされているので、閣僚に入っておられる太田大臣は一体どういうお考えなんだろうかということは、誰でも関心を持つんですよ。ですから、やはり、国民的議論が閣議決定の前に必要なのかどうかということはぜひお聞きをしておかなきゃいけない、こう思っております。
 それから、さらに、井上幹事長は近隣諸国の理解も必要だと言うんですね。
 さて、自分の防衛政策を決めるのに、何で他国、特に敵対している他国の意見を聞かなきゃいかぬのですか。それは逆でしょう。聞いたら逆になりますよ。だめだと言うに決まっているんです、そんなのは。だから、むしろだめだということをやらなきゃいけないんです。
 そういう意味で、これも、私も資料を持っていますけれども、これは井上幹事長の会見なんですけれども、このことについて太田大臣はどうお考えなんでしょうか。

○太田国務大臣

 井上幹事長の一つ一つの発言と真意と、また、その膨らみ、背景という部分については、十分存知しておりません。しかし、恐らく、論議を広範囲で深めていくことが大事だということが一番大事な主眼での発言ではないかと想定します。

○山田(宏)委員

 諸外国の理解を得て決めるなんというのはあり得ないですよ。我が国の防衛ですからね。それは明確に反対してくださいね。どうでしょう。

○太田国務大臣

 よく熟慮して判断します。

○山田(宏)委員

 小松長官が新聞のインタビューにおきまして、総理が、最終的な内閣の憲法解釈の判断の責任者は私だと。私は、そのとおりだと思うんです。何の違和感もありません。それが内閣の責任ある姿勢だ、こういうふうに考えております。
 しかし、最終的な憲法解釈権は、先ほど御答弁にもありましたように、最高裁判所にあります。内閣の判断が憲法に適合しているかどうかということを最高裁が判断するわけですけれども、しかし、今の最高裁は何か事件がないと憲法判断をしないんですね。個別の事件性が必要なんですよ。だから、その法案がいいか悪いか、憲法に合っているか合っていないかなんということを、何か事件が起きないと判断できないということであります。
 私は、これではだめだと思うんですね。やはり、憲法解釈はきちっと裁判所ができるようにしていくというために、憲法裁判所をつくるとか、または、さらに、今、憲法改正が必要ならば、今の最高裁の中に憲法部をつくってそういった事案も扱うとか、こういったこともきちっと改革していくべきだと考えているんですけれども、最後に総理の御答弁を求めて、終わりたいと思います。

○萩生田委員長代理

 時間が来ております。

○谷垣国務大臣

 今、山田委員おっしゃいましたように、今の最高裁判所は、憲法の規定によって、個別の事件の処理に必要な範囲で憲法適合性を判断するということになっております。
 それで、委員は、今、憲法裁判所ないしは最高裁判所の中に憲法部みたいなものをつくるということはどうだという御議論がございました。これは、憲法裁判所、必ずしも事件性と関係なく、抽象的といいますか、一般的に法令の憲法適合性を判断できるような仕組みをつくれということでございます。
 そうしますと、これは、今の憲法も、長いいろいろな各国の法制の歴史がございまして今の事件性というものを要求しているわけですが、三権分立の原理等々からどういう問題が生ずるか、多面のことを考えていかなければならないと思います。そういう意味で、幅広い国民的な議論をやっていただく必要がある案件だと私は考えております。

○安倍内閣総理大臣

 憲法裁判所あるいは最高裁判所内に憲法判断を行う部門を設置すべきだという御提案でございますが、これは非常に大きな問題でございまして、各党各会派によって議論をしていただいた上において、さらに国民的な議論を深めていく必要がある、このように考えております。

○山田(宏)委員

 ありがとうございました。

○萩生田委員長代理

 これにて山田君の質疑は終了いたしました。

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2013年3月18日の衆議院予算委員会 経済対策・経済連携等についての集中審議における山田宏と各閣僚との質疑応答の映像、そして質疑応答の全文を公開しています。

■2013年2月28日 衆議院予算委員会 集中審議 山田宏の質疑応答全文

2013年2月28日の衆議院予算委員会、集中審議における山田宏と各閣僚との質疑応答の映像、そして質疑応答の全文を公開しています。

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