○山田宏君
おはようございます。自由民主党の山田宏でございます。
久々の予算委員会の質問の機会をいただきました。
今日は総理の訪米についてのテーマでございますが、総理、訪米前の先月二十七日に、新聞報道によりますと歯の治療に行かれたということで、これ報道に出ておりましたので、その歯の治療に行かれたということなんですけど、訪米前に行かれたのか、それとも常に口腔の健康に気を付けておられるのか、この点についてまずお聞きをしておきたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君)
去年の総裁選挙前に治療をしかけていた歯、その後、行くチャンスがなくて、その治療の続きでございますが、ただ、口腔の健康を保つことには割とこだわっております。つまり、口腔内への影響だけではなくて、全身の健康にもつながるものですから、歯石を取ったりクリーニングをしたりということはできる限りやるようにいたしております。
○山田宏君
ありがとうございます。
今や口腔の健康が全身につながるということはもう国民の常識になってございまして、総理におかれましても、定期的に歯の健診に行かれて、是非長くお務めをいただきたいと心から期待をいたしております。
その訪米でございますけれども、今、浅尾委員の方からも御質問がいろいろございましたので、重ならないように御質問をさせていただきたいと考えております。
今はもう世界が激動して、この間までウクライナの話だった。その後ガザ、そして中東、そして今度はイランということで、もう目まぐるしく世の中が変わってございます。言わば戦後の秩序、国際法というものが次々と何となく空文化されてくるという中で、やはり私はこのことを見るときに言葉を思い出すんですけれども、やっぱり力なき正義は無力だと、そして正義なき力は暴力だと、この今回のこの世界の動きというのは、やっぱり力なき正義というものがいかに無力かということを我々に教えてくれております。またそういった時代にもなってきたと。
こういった中で、イラン情勢の変化もあり、また日中の問題もあり、そして様々な経済安全保障上の問題もあって、そういった機会に総理はワシントンを訪問されました。そして、その結果、トランプ大統領との個人的なきずなが更に深まり、日米同盟というものの強力さを世界にアピールすることになり、しかも様々な資源やエネルギーについても、共同でやはり世界の安定に尽くそうということを発表された意義は極めて私は大きいと、こういうふうに思います。大成功だったと、こう考えております。
そういった中で、かつて私も指導を受けました、タイ大使を務めた、しかも外交評論の、透徹した外交評論家でありました岡崎久彦先生の言葉をここで御紹介したいと思います。同盟とは有事において戦場で助け合うものであり、平時の国際法を生ぬるく唱えている暇はない、強い国とともにいなければ敗戦国になる。これは岡崎先生の言葉であります。
私は、これは国際政治の冷酷な現実だと思うんですね。そういう中で、同盟というのは戦場の中で助け合うことである、我々、そういった日米同盟と軽く使っていますけれども、同盟というのは結局そういうことなんですね。ですから、どういう理由があろうが同盟国を助けていく、これが一番大事なことなんですね。
そういった中で、今回訪米されて、ホルムズ海峡についても様々な難しい問題がある中で上手にこの合意を得ることができましたが、ホルムズ海峡は、安倍元総理もお話しになったように、条件によりますけれども、存立危機事態につながりかねない事態なんですね。ですから、そういった中で、どう我々はどこまで何ができるのかということをやっぱり考える機会になったと思います。しかも、このホルムズ海峡こうなっただけで、さっき歯科の話いたしましたけど、マスクがない、手袋、歯科のときに使うグローブが品薄感が出ていると、こういうような事態になって、ガソリンはばんばん上がってくるしということで、我が国がいかに脆弱な状況にあるかというのをはっきり我々は分かったと思うんです。
そして、仮に台湾有事ということになったら、これどころじゃございませんよ。それは、台湾海峡とバシー海峡という台湾周辺の海峡を我が国の貨物船やら何やらみんな通ってくるわけですから、言わば生命線であります。ここでもし武力闘争、紛争などが起きたら我が国にとっては本当に大変な事態になるというのは、ホルムズ海峡どころではありません。
そういったことを考えると、今回の訪米というものは、我々がこれから直面しかねない問題について同盟を強化して、そしてそういった問題を起こさせない、起こさせない、抑止力を更に強める、そういった大きな効果があったと私は考えております。
訪米前には、ネットの一部ではアメリカの戦争に巻き込まれるんじゃないか、又は、そういったような論調もありましたけれども、先ほども訪米の成果について総理からいろいろとお話がございましたが、今申し上げたようなことも含めて、総理の訪米の評価というものを改めてお聞きをしておきたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君)
私が発した冒頭の発言について様々な評価があることは承知をいたしております。
その上で、当日、渡米する飛行機の中で徹夜で考えました。冒頭何を申し上げるかということを懸命に考えました。その上で、中東を始めとするこの国際社会の平和と繁栄に向けて、やはり米国がリーダーシップを発揮して建設的な役割を果たすことは重要である。だから、今、戦争でございますけれども、これを平和に持っていけるのも、それから、エネルギー市場、マーケットが非常に混乱をしていく、また世界経済にも影響が及んでいる、そういった中で、またこれを改善できるのもトランプ大統領の気持ちにも懸かっている、そういった思いもお伝えしつつ、日本としても、国際社会の平和と繁栄に向けて米国がリーダーシップを発揮するということについてはこれまでもこれを支持してきているわけでございます。ですから、それを改めてトランプ大統領にお伝えしたということです。
それから、やはり米国がその役割を国際的な連携の下で発揮できるような環境をつくらなきゃいけないということで、日本として引き続き後押ししていくという観点から、ホルムズ海峡に関する首脳共同声明というのがちょうどもうワシントンに着く直前に発出されるということで、そのスターティングメンバーに入るかどうかという決断をしなければなりませんでした。これも参加をすると、日本がスターティングメンバーとして参加をするということをお伝えしました。
昨日も三か国の首脳に、まだメンバーに入っていない各国首脳に電話で会談をいたしましたけれども、そういった形でみんなでホルムズ海峡を安全にしていく、安全な航行を確保していく、そういう国際世論の流れをつくっていきたいなと思っております。
○山田宏君
ありがとうございました。
やっぱりだんだん日本の日米同盟というのがお題目ではなくて本当に中身をやはりきちっと付けていくという、そういった機会に、今回第一歩になったと思っております。それがひいては我が国周辺においての安全と抑止力を高めるということにつながりますから、新しい時代に合わせてしっかりと進んでいってほしいと思います。
そして、日米会談では北朝鮮による日本人拉致問題についてもしっかり取り上げられました。家族会代表の横田拓也さんは、拉致問題解決について取り上げていただいたことは有り難い、米中首脳会談が開催される際にトランプ大統領の訪朝やそれに合わせた日朝首脳会談が開催される可能性があり、拉致問題の速やかな解決を期待するとのコメントを出されました。この家族会代表のコメントについて、総理の受け止め方をお聞かせください。
○内閣総理大臣(高市早苗君)
横田代表のコメントは、これはもう拉致問題の解決にこれ以上の猶予は許されないという切迫感の表れとして重く受け止めております。
先週の日米首脳会談では、拉致問題の即時解決について、私自身のかなり強い決意を伝えるとともに、引き続きの理解と協力を求めて、トランプ大統領から全面的な支持を得ました。私自身、御家族の皆様の思いを何度も直接伺っているところですから、あらゆる選択肢を排除せずに、私の代で何としても突破口を開いて拉致問題を解決したいという考え方でございます。
○山田宏君
高市総理のときに突破口を開くと、こういう決意をお話しになっておられました。
総理が日米会談で金正恩委員長との首脳会談への意欲を示したということに対して、北朝鮮の金与正部長が三月二十三日に、日本の首相が、我々が認めてもいない一方的な議題を解決しようとしているのであれば、我が国の指導部は会う意思もなく、向かい合うこともないとの談話を出しました。そして、談話の最後に、あくまで個人的な立場ではあるが、私は日本の首相が平壌に来る光景を見たくはないと、金与正部長の個人的立場を述べております。
二年前の三月に同じ与正氏の出した談話では、日本側のいかなる接触にも交渉にも顔を背け、それを拒否すると、明確に日朝首脳会談を拒否する意思を明らかにしていたことと比べると、今回の談話は、日朝首脳会談を受け入れる可能性を示唆しつつ、その条件を有利にしようとしているもののように思われます。
この談話についてどのように評価をするか、総理と外務大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(茂木敏充君)
金与正部長の談話、発表されたということは承知をいたしております。北朝鮮、様々な談話、いろんな機会に出すわけでありますが、それをどう評価するかと、あの体制ですから難しい部分もありまして、そういった一つ一つのコメントについては、これまでもコメントは差し控えさせていただいております。
その上で、政府としては、山田委員も本当に熱心に取り組んでおられますが、総理の下で、日朝間の懸案の早期解決、特に拉致問題の解決、これに向けて国際社会と緊密に連携をしながら全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○内閣総理大臣(高市早苗君)
私も、金与正部長のこの談話についてですね、コメントをすることは差し控えたいと存じます。
その上で、私は、日朝双方が共に平和と繁栄を享受する未来を描けるように、金正恩委員長と首脳同士で正面から向き合う覚悟を持っています。
今回の日米首脳会談でも、金正恩委員長と直接会う気持ちがとても強いということを伝えました。これに対して支持、また協力のお話をいただきました。これは国際社会とも緊密に連携をいたしますけれども、日本自身も動かなければいけない大事な問題ですから、懸命に取り組んでまいります。
○山田宏君
トランプ大統領がこれから訪中されるということで、そういった機会、いろいろな機会があろうかと思います。この間訪日されたときも、金正恩委員長と会いたいということを盛んにおっしゃっておられたと聞いております。そういった意味で、今回の訪米は、総理の訪米は、非常に時機を得たものになったというふうに考えております。これが本当にうまく前に進むように期待をいたしております。
今の総理の御答弁のとおり、常にやっぱりしっかり前向きに、正面から話し合いたいということをしっかりと今回の答弁でも北朝鮮にメッセージとして伝わっていると思います。そういったことがやはり突破口になるように期待をしておりますが、何よりも我が国の主権の問題ですから、これは、我が国が何か常にアメリカにお願いしなきゃいけないというような状況というのは、やっぱり少しずつでも改善をしなきゃいけないとは思ってございます。
しっかりこれを取り組みながら、我が国のやはり主権というものをしっかりと守れるような国になるような、やはりそういった取組も併せてしていただきたいなと、こう思います。
それでは次に、米国産原油や南鳥島のレアアースの日米共同開発の合意というものが先ほども御報告ありました。経済安保の視点だけではなくて、これは防衛の面でも画期的な取組ではないかと私は評価をしております。
特に、南鳥島、これもう日本本土から千七百キロってすごい遠いですよ。なので、こういったところも、経済水域がもうほかの経済水域と重ならないという島ですから、非常に日本にとっては大事な島であります。ここに防衛省の職員とそれから国交省の職員が常駐して、飛行場もございますから、ここをやっぱり一つの基盤として、日米の共同のレアアースの開発事業をやってもらいたいと私は願っております。
なぜかといいますと、それは、日露戦争が終わった後、ハリマンというアメリカの鉄道王が日本に来ておりました。そのときにハリマンは、全世界、ユーラシア大陸を回った鉄道網を造ろうということで、日本が獲得をすることになる南満州鉄道、これの経営を一緒にしたいと当時の桂太郎首相に話をし、いい話じゃないかと日本では合意をしたわけです。ところが、サンフランシスコにいた小村寿太郎外務大臣は、しっかり講和交渉をして戻ってきて、苦しい交渉をやったんだけれども、帰ってみると南満州鉄道は日米共同事業だというので、これはもたないと、日本国民の血で、ここまで血を流して得た成果というものが台なしになるといって反対されて、この問題は潰れました。
これはこれで、小村寿太郎という人は非常に愛国者で私も尊敬する方ではございますが、もしここがアメリカと日本の共同事業となっていたら、恐らく満州事変もなかったんじゃないかと、また、日米共同でそこに利益を持っていますからね、さらに日米戦争もなかったんじゃないかと、こう思う、まあ、歴史の畏怖を持っているわけです。
ということを考えると、戦略的に重要なところは、同盟国と一緒にやっていくということが極めて重要だと私は思っておりまして、特に南鳥島みたいなところは、中国のいろんな船があの辺うようようようよしているんですね。そういう状況の中で、やはりここに日米の共同の何らかの基盤をつくっておくということは我が国の安全保障にとって極めて重要だと、こう思ってございます。
そういった意味で、この南鳥島のレアアースの日米共同開発を進めるという戦略的なそういう価値、意義について、総理から御所見を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君)
今回取りまとめました日米海洋鉱物資源開発に関する協力覚書に基づきまして、海洋鉱物資源開発が将来的な重要鉱物の安定供給の確保に大きな可能性を有しているということを踏まえて、これは日米双方に利益のある形でこの分野での二国間協力を前進させることを目的としています。この戦略的な連携を進めるということによって、国際情勢、それから、地政学リスクに左右されないレアアースを始めとする重要鉱物の供給源の確保にもつながりますので、我が国にとっては外交・安全保障上の観点からも意義があるものと考えております。
そしてまた、この交渉に至るまでに、当然、日本から防衛省も、そしてアメリカの戦争省も加わっておりますので、安全にしっかりと開発ができる、そして、お互い、資源がないことによって新たな争いが起こるようなことのない、そういう環境づくりに資するものだと考えてまいります。
○山田宏君
ありがとうございました。
しっかりこれ、我が国の大事な大事なやはり戦略の一つになろうかと思いますので、しっかりとお進めをいただきたいと思います。
実はもう一問、石油、原油についてのことをお聞きしたかったんでございますけれども、申し訳ございません、時間がなくなってまいりました。
かつての大東亜戦争も石油で始まり石油で終わったと、こう言われることがございます。我が国にとってはいまだにエネルギーというものが国の生命線になってございます。これは戦前も戦後も同じです。戦後になっても、ここを止められてしまったら何もかもが止まってしまうという状況になってしまいますので、しっかりとこの点についてもお進めをいただきたいと申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○委員長(藤川政人君)
以上で山田宏君の質疑は終了いたしました。(拍手)




















































