山田宏のニュースリリース
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八重山日報 10/9、10、11掲載 《杉並区「沖縄タウン」の熱意》
2017.10.16

八重山日報に三日間に渡り、コラムが掲載されました。

八重山日報さんのご了承を得て、転載いたします。

どうぞご覧下さい。

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杉並区「沖縄タウン」の熱意

 

 本土の人たちが、いかに沖縄に魅力を感じているか。ぜひ、そのことを沖縄の方々にも知っていただきたいと思います。

 そのことを象徴する事例の一つが杉並区の「沖縄タウン」です。京王線代田橋駅から徒歩5分ほどのところにある「和泉明店街」という商店街が、2005年に沖縄をコンセプトにした商店街活性化に取り組み、それが現在まで継続しているのです。2015年1月26日のこの連載でも書きましたが、先日、「沖縄タウン」に足を運び、和泉明店街の大橋滿明会長、今泉章副会長、そして株式会社沖縄タウンの片桐勇会長にお話をうかがう機会がありました。

 和泉明店街は駅から5分とはいうものの、その途中には甲州街道という大きな街道があり、駅からのアクセスは必ずしも便利というわけではありません。住宅街の中にポツンとある商店街です。近隣に寺社仏閣などがあるわけでもなく特色が出しづらく、近くに大きなディスカウントストアもできて、何もしなければ完全に廃れてしまうのは明々白々でした。そこで商店街の人たちは一念発起したのです。沖縄に着目したのは、東京とは違った文化があり、特色が出せると考えたからでした。

 当時、私は杉並区長を務めていましたが、杉並区では「千客万来」という商店街振興策を打ち出していました。商店街が独自の振興策を提案し、優秀なところに1000万円を補助金として支出するという破格の取り組みです。そして和泉明店街は、沖縄タウン構想を掲げて、この千客万来の1000万円を勝ち取ります。このお金で、商店街の入り口の街路灯を首里城の柱を模したデザインに変更したり、各店のテントを「みんさー織柄」デザインに変更したり、イベントやプロモーションの原資にしたりしました。

 しかし、補助金でできることは限られています。また、「商店街」という組織で沖縄らしい事業を進めたり、沖縄の物産の仕入れルートを開拓したりするのは限界もありました。

 そこでなんと和泉明店街は、「株式会社沖縄タウン」という株式会社を設立したのです。杉並区からの補助金1000万円とは別に、自分たちで資本金1000万円を集めて会社を設立し、さらに銀行から1500万円ほどの借り入れを行ないました。そのお金で、商店街の中心にありながら空き店舗になっていた大都(だいと)市場を借り上げ、リフォームして「めんそ~れ市場」と改名。沖縄料理や沖縄物産のお店に貸し出すテナント事業を始めます。

 また株式会社沖縄タウンが中心となって、各店舗で一つ以上は沖縄らしいものを置こうと決め、沖縄物産の仕入れルートなども開拓し各店に紹介していきます。さらに、各店が取り扱う商品以外の沖縄物産を販売する「いじゅん」という物産店を、株式会社沖縄タウンが経営することとなりました。沖縄タウンができてしばらくは、ほぼ毎月一回、沖縄の食や文化にちなんだ様々なお祭りやイベントも行なってきました。

 

 皆さんは「東京だからそんなことができるのではないか」とお感じになるかもしれません。しかし、和泉明店街を訪れていただければわかりますが、驚くほどこぢんまりとした商店街で、1000万円を集めるのも、ご自身のお店のお仕事に加えての「沖縄タウン」づくりも、「自分の店をほっぽり出して、やっていましたよ」と本当に大変だったようです。

 2005年に沖縄タウンがスタートしてからも、すべてが順調だったわけではありません。めんそ~れ市場から撤退するお店もありましたが、現在は沖縄料理の飲食店を中心に活況を呈していて、株式会社沖縄タウンが当初に背負った借入金も完済したとのこと。

 いま全国的に、数多の商店街が苦戦を強いられています。和泉明店街でも、シャッターを閉めたお店がだいぶ増えてしまいました。店主の高齢化や跡継ぎ不在が大きな理由です。それでも商店街の方々は、「もし、沖縄タウンをやっていなかったら、とっくの昔に皆、廃業していましたよ」と言います。酒屋さんも、東京では普通に買えない泡盛を多種類扱ったことで特色が出て、順調に経営できているとのこと。

 

 イベントやお祭りも、さすがに毎月ペースではできなくなりましたが、4月に「うりずん祭り」、9月に「かりゆし祭り」を行ない、アスファルトが見えなくなるほどにお客さんが商店街を訪れます。商店街のメンバーの中には「特色を出せてブランド化すれば、もしお店が立ちゆかなくなっても、次の人にお店を譲れたり、土地が売れたりするかもしれない」という考えもあったそうですが、その言葉通り、沖縄タウンはしっかりとしたブランドになりました。いまでも、メディアの取材がいくつも入るといいますし、近隣の不動産の広告でも「沖縄タウンの近くの物件です」などのコピーがうたわれるそうです。「沖縄」にかけた商店街の思いが、みごとに結実しているのです。

 最近では、和泉明店街の近くに専修大学附属高等学校の生徒たちから、「商店街をもっと沖縄らしくしよう」という声が上がり、商店街と高校と杉並区とで、生徒たちの提案の実現に向けた取り組みが始まっています。まさに和泉明店街が「沖縄タウン」として沖縄という特色を出していたからこそ、「もっと沖縄らしく」という若者らしい思いが生まれてきたに違いありません。必ずや新しい成果に結びつくことでしょう。

 さて沖縄の皆さんにも、ぜひこういう本土での取り組みを応援してほしいと思います。沖縄をテーマにした商店街には、沖縄情報の最新のパンフレットを定期的に送ったり、小さなアンテナショップをつくって沖縄の情報発信をしたり、時には沖縄の皆さんが出向いて本場の食や文化を紹介していけば、全国各地に沖縄好きの人が集まってくる場所ができ、さらに盛り上がることでしょう。

 沖縄タウンは、「沖縄の魅力にかけよう」という商店街の方々の熱意でつくりあげられたものです。熱意あるところにこそ花開く。もし沖縄の方々の郷土を愛する熱意と、このような他県の沖縄への熱意とが結びつけば、沖縄にとっても、その地域にとっても、大きな成果に繋がっていくのではないかと思います。

 

 

 

 

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