山田宏のニュースリリース
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八重山日報 1/19、20、21掲載 『好調の今こそ「観光の高度化」を』
2018.01.25

八重山日報に三日間に渡り、コラムが掲載されました。

八重山日報さんのご了承を得て、転載いたします。

どうぞご覧下さい。

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『好調の今こそ「観光の高度化」を』

 昨年12月18日から20日まで、参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会の沖縄の振興開発問題等に関する実情調査で、沖縄本島と宮古島を訪れました。
国立沖縄戦没者墓苑、平和の礎、子供たちを支援しているアトリエ・kukulu、普天間飛行場、対馬丸記念館、さらに宮古島の地下ダム、野菜ランドみやこ、菊之露酒造、宮古精糖など、様々なところを視察させていただきました。
また、経済人の皆さんとの意見交換も、とても有意義なものでした。

 印象に残ったのは、観光客が急増している状況です。
ちなみに沖縄の観光については、1月4日付の『産経新聞』が、「沖縄県が県民経済計算の参考資料で、観光収入を過大計上していることが分かった。異なる基準で計算して基地収入と比較し、結果的に『反基地』『脱基地』の県政に沿う形で、観光収入を大きく見せかけていた」と報じています。
この統計操作自体は事実とすれば大きな問題ですが、沖縄でお話をうかがうかぎり、たしかに現在、沖縄への観光客は急増していて、その対応が大変なほどだという実情が伝わってきました。

宮古島へ足を運んだ折も、多くの観光客に来てもらえるので働くお母さんが増え、保育園が足らなくなっている状況だと聞きました。
 急増しているのは外国観光客で、とりわけ中国、韓国、台湾、香港などからいらっしゃる方々が多いとのこと。クルーズ船が週に何回もやってくるのだといいます。

 経済人の方々との会合では、増え続ける観光客の問題に対して印象深いお話をうかがいました。
たとえば、観光客の需要に応じきれず、違法な民泊や白タクなども急増しているそうです。もちろん需要には応えなければなりませんが、その一方、違法行為が横行したら結果的に観光政策にマイナスの風が吹きはじめかねません。観光捜査官のような制度をつくって一罰百戒で取り締まれないか、という提案もいただきました。
 ある意味では、これは嬉しい悲鳴といえるかもしれません。やはり、現在、好調だからこそ、課題解決に向けて取り組まねばなりません。加えて、長期的な課題もしっかりと考えておくべきです。現在、沖縄にやってくる外国人観光客の目的は、主として買い物や食事だといいます。

しかし、将来的にはどうでしょう?

 ここで想起すべきは、韓国への中国人観光客の激減です。
韓国観光公社の発表では、2017年1月〜8月に韓国を訪れた中国人観光客は延べ287万人で前年同期比48.8%もの大幅減となったそうです。THAADミサイルの配備を巡って中国政府が態度を硬化させ、韓国締めつけ政策を行なったことが大きく影響しているといわれます。ここまで劇的に減少することは大きな驚きですが、このため韓国は外国人観光客全体も、対前年同期比22.8%減の約886万人となり、韓国の国際観光収支は過去最高の赤字になってしまいました。

 われわれが知っておくべきは、中国はそういう国だということです。共産党政府が方針を出せば、国民は従わざるをえないのです。
現在、日本と中国の関係はやや軟化に向かっていますが、しかし、尖閣問題をはじめ、いつどのような問題が勃発するかわかりません。
そのとき、現在の観光状況に慣れきって何の手も打たないでいたら、沖縄経済は大きなダメージを受けかねません。

 今回の視察では翁長雄志県知事とも意見交換を行ないました。

この会見については、すでに新聞でも報じられていますが、翁長知事のご認識は、沖縄の観光の将来を考えても大いに心配なものでした。
その場で翁長知事から「尖閣諸島が、歴史的にも国際法上も日本固有の領土であることを国際社会に明確に示すこと」という沖縄県の要望をうかがった私は、翁長知事に「知事は度々中国を訪問されていると聞くが、その際に尖閣諸島の問題についてどのように主張されてきたのか」と尋ねました。
すると知事は、こちらが質問もしなかった2人のお嬢様のことなど様々お話しになった後で、「(訪問団の主催者側から)地方自治体として交流ができるように話をしてくれといわれた。領土問題の話をすると、居場所に困る」とお答えになりました。さらに翁長知事からは「いざこざがあれば観光への風評被害があるかもしれない。平和外交で日本の固有の領土だと示してほしい」という要望もいただきました。

 これはおかしな話です。翁長知事は、米軍基地問題ではアメリカや国連にまで足を運んで強硬な抗議を行なっています。
一方で中国に対しては抗議も主張もしないというのは、明らかにダブルスタンダードです。
しかも、日本が平和外交を貫くのは当然のことで、そもそも尖閣問題で一方的に緊張を高めているのは中国のほうです。日本は仕掛けられている立場なのを忘れたかのような支離滅裂な発言です。

 それに韓国の例でわかるように、とりわけ中国からの観光客は政治の動向次第で、あっという間に激減するのです。そのような中国人観光客を「皮算用」に入れて計算したら、逆に観光収入が、まるで人質のようになりかねません。

 ただお客を待つばかりの観光政策ではダメなのです。私が提案したいのは、「観光の高度化」です。
何が起きようと沖縄に来たくなる。世界の各地からますます沖縄をめざしたくなる。それだけの価値を高められるかどうかです。

 沖縄でうかがった話で印象深かったのは、沖縄とハワイとの比較でした。
沖縄には現在、人数としてはハワイに次ぐくらいの規模の観光客が訪れているようですが、ハワイに観光客が滞在する平均日数が約一週間であるのに対し、沖縄の場合は約三日だそうです。この違いは何によって生まれるのか。これを、やはりハワイ並み、さらにハワイを超えるようなものにしていくことをめざすべきではないでしょうか。
 もちろんリゾート設備や展示場、娯楽施設、宿泊施設などを充実させていくことも有力な施策です。
しかし、そのようなものばかりではありません。私は、医療ツーリズムの充実や、日本工芸村の設立などといった手立てを考えてはどうかと思います。

 医療ツーリズムについては、以前、本欄にも書きました。
沖縄に医療の研究機関などを誘致して、長期間滞在型で世界最先端の医療が受診できるような施設をつくってはどうか、というプランです。
今、宜野湾市の米軍キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区跡地に、琉球大学の医学部と医学部付属病院が移転する計画が立てられています。
これを機に、積極的に、沖縄を医療ツーリズムの特区に指定して、治療薬や医療機器を研究する国内外の様々な研究所を誘致することも視野に入れるべきでしょう。
受診者の同意と匿名性を確保したうえで医療情報を医療機関や研究機関で使えるようにし、代わりに、情報を提供した沖縄県民は医療費を無料にするなど特例措置を取れば、沖縄県民にとっても、医療機関・研究機関にとっても有意義な形となり、沖縄は必ずや医療の先進地域になって、海外からの医療ツーリズムの聖地になることでしょう。

 また、沖縄が中国、台湾、香港などからの観光客に人気なのは、東京に行くよりも近く、日本文化に触れることができる魅力もあるからでしょう。
ならば、沖縄のみならず日本の各地の素晴らしい工芸品を集め、さらにその職人さんなども招致して、日本工芸村のようなものをつくってはどうでしょうか。現在、体験型の観光が人気です。沖縄に来れば、日本各地の一流工芸品が買えるだけでなく、職人さんに指導してもらって手作り体験ができるとなれば、必ずや人気を博するはずです。
観光客の滞在日数は必ずや延びるでしょうし、「もう東京などには行かなくてもいい」「また沖縄に来たい」と思う観光客も激増することでしょう。

 繰り返しますが、観光好調の今こそ「観光の高度化」をめざすべきです。沖縄は、それだけの魅力も実力も兼ね備えているのですから。

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