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ロシア訪問記(PART2)~今後の日露関係はどうあるべきか
2012.11.07

 これからの日本にとって、日露関係はどうあるべきだろうか。

 

 慌ただしく日本の政界のニュースが飛び込んでくる中、私はモスクワでずっとそればかり考えていた。

 

 もちろん、お互いの経済的利益の増進のために一層の協力関係を作り出していくということは当然だろうし、そのためにも一日も早く「北方領土問題」に決着をつけ、両国の国境線を確定して平和条約を結ばなければならないことも言を待たない。

 

 しかしこれからの日露両国の関係は、単に経済だけでなく、おそらく安全保障の分野でも何らかの関係を深めていく必要性と可能性が生まれてくるかもしれない。

 

 その理由は、アジア太平洋地域で急激に増大した中国の海軍・空軍力への対処、その軍事力と経済力を背景とした中国の覇権主義(国際法を軽視し自国のルールを他国に押し付ける)への対処が、それぞれ米国の同盟国、中国の友好国という立場の違いがあれこそすれ、いずれ両国の重大な関心事項になるはずだからである。

 

 日本も、当然「アジア太平洋の大国・ロシア」も、東シナ海や南シナ海が事実上の中国の「内海」になることを望まないという点での国益は、一致するだろう。アジア太平洋の時代においては、両国にとっても、また他のすべての国にとっても、安全で安定的に航行できる「自由の海」の存在は、その国の経済にとっても、安全保障の観点からも重大事項だからである。

 

 ところで中国が最近就航させた空母は、ソ連製の中古を独自に改造したもので、これはロシアが中国に売却したのではなく、ウクライナが「病院船に改造する」とした中国に売却したのであるが、ロシアは空母への改造にあたっての諸部品の供給を拒否してきたそうだし、これからも拒否すると言っている。また中国の新たな砕氷船の就航にも、いずれ北極海に進出するのではないかと、ロシア側は神経をとがらしているようだ。

 

 ロシアが中国の友好国であっても、ロシアの脅威になることに対しては受け入れないということだ。

 

 一方わが国にとって、これまでの歴史的経験からも、ロシアに対して油断は禁物で、警戒を怠ってはならないが、今後のわが国への、そして世界へのより大きな「新たな脅威」に対するアジア太平洋地域の力のバランスを考えると、わが国としては、様々なロシアへの関わり方の外交カードを確保していく必要が出てくるかもしれない。

 

 さて、1991(平成3)年に米ソ冷戦が終わり、世界が米国の「一極」支配となるかと思われたが、実際は多極化に向かって進んできた。今の世界は、米国(最強であることは間違いないが)、ヨーロッパ、ロシア、中国、インドなどの「多極」による「力の均衡(balance of powers)」によって平和が維持されていく時代に突入してきた(回帰した)。

 

 そして、「力の均衡」時代における日本の生き筋は、かつての英国が伝統的にとってきた外交手法、つまり「大陸に一つの強大な大国を出現させないようにする。仮にそのような国が出現しそうになれば、その国と対抗させ得る別の国を支援する」という冷徹な「力の均衡」外交をとることだと、私は考える。

 

 日本は、海洋(局外)にあって、大陸の国々の「力の均衡」をうまく作っていくバランサーの役割を果たすことが、わが国やアジア太平洋の平和維持に必要となってくると思う。また、そんな日本国の外交を進められる有為の人材が必要とされる。つまり、その外交の中でロシアをどう位置づけるかということだ。

 

 

 

ロシアの国民は、ある種のあこがれを日本に抱いており、対日感情は好意的である。これはお隣の国々とは全く異なり、日本の関わり次第ではさらによい関係を築く余地が十分ある。ロシア人は、日本の文学や映画などで日本に興味を持ち、自動車などの日本製のハイテク機器に強い関心を寄せており、モスクワで一番多い外国料理は日本レストランで、ほとんどが寿司店だ。

 

 経済や安全保障戦略も大事だが、私はロシアに対する日本の文化戦略も、ロシアの世論形成という観点から重視すべきと考える。

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